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とても良い
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ストーリー
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音楽
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 アマプラで見放題になったのでやっと視聴。
8年前の作品ということで、古臭さを感じるかと思いきや、意外とそうでもない。作中で使われるスマホはたぶんiPhone6あたりかSEかな。けど、操作画面や地図の検索の所作などは現在と同じだ。都会と地方の景色や人々の生活描写も隔世の感はない。

 唯一思ったのは、今の東京の高校生が1600円のパンケーキをカフェで食べないだろうってことだ。8年で変わったことは、日本の若者(だけではないだろうが)が貧しくなったことじゃないのか。

 放映当時に僕がこの作品を観なかった理由も思い出した。まず、個人的に新海誠監督を好きではなかったこと。諸々のクオリティは認めるけど、アニメーションとして斬新な要素が乏しいと感じていた。男女の入れ替わりというネタも新鮮ではなかったし、企業タイアップと広報営業力による大ヒットという穿った見方をしていた。また、個人的にRADWIMPSの音楽性が好みではなかったということもある。

 そして、今日観た結果としては、しっかり意外性も見応えもあった。大筋のストーリー展開に予想外のギミックがあったことだ。入れ替わりの原因メカニズムに関わる自然的超常現象の要素。彗星と古来の神道的土着信仰の世界観の因果関係。時間軸のズレを組み紐で補正するロジック。悔しいけどよく出来たSFだ。
 青春ボーイミーツガールと上手く融合させている。

 黄昏時は誰そ彼時であり、分かたれ時、この世と黄泉の時空を超えて繋ぐ次元の狭間でもある。この要素も上手く掘り下げてプロットに活かされている。

 そして、RADWIMPSの楽曲が作品にしっかりマッチしていた。良く言えば、素直で透明感のあるポップロック。音楽性だけを見れば個人的に物足りないのだけど、この作品の凡ゆるシーンに素晴らしい効果を与えていたのは間違いない。当たり前だけど、真摯に向き合って作られた音楽が良くないわけがない。

 秒速5センチメートルのようなやるせなさがない点も、大ヒットの一因だと思う。しっかりと大衆性が担保されている。それが、ウルトラミラクルな物語の結末で表現されている。パラレルな時間軸の使い方も見事だ。

 この物語はアニメーションでなくても、実写映画でも作れると思う。それだけ緻密なプロットで構成されているし、映像表現としても実写制作は可能だろう。
 でも、2016年という時代に、邦画の実写ではなく多くの予算を投じてアニメーションでこの作品が作られたことに特別な意味があったと、今なら思える。

 新海誠監督に対するネガティブな先入観があったことに恥じ入り己れの浅はかさを認めつつも、未だ払拭しきれない自分がいることに半ば呆れるが、未視聴の「天気の子」を観れば、その残滓すら吹っ飛ばしてくれそうな気がする。

 話題作は観ておくものだなと反省しつつも、幾つかの事情から映画館に足を運びづらいので仕方がないという思いもあり、その辺りは複雑だ。
 せめて、作品にネガティブな先入観を持たないように心掛けたい。

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良い
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劇場で見てTV放送で見て、U-NEXTで見放題になっていたので久しぶりに見て見た。男女入れ替わりネタは面白い。

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相変わらず景色の描写が綺麗でした。
以外に思ったのは、すれ違いこそあれど普通の恋愛だった所です。

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入れ替わること以外のストーリーネタバレ無しで観られたので満足。

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もう何十回と観てますが、金ローでやってたので

『ほしのこえ』から続く、「僕と君の隔たり」に関する一連のストーリーの結論だと思ってます。
2003年からずっとすれ違い続けた僕と君がやっと出会えてハッピーエンドを迎えました。
奥寺先輩の「君もいつかちゃんと幸せになりなさい」というセリフはすれ違いという結論に苦しみ続けた我々新海ファンに対する
監督からの労いというか、供養の言葉だと思いってます。

それと同時に、社会に対してメッセージを発するようになった初めての作品だとも言えると思っています。
この作品自体にはそこまで意図的・明示的に社会的メッセージが詰め込まれていませんが、
やはり震災に対する捉え方・救いのようなものがテーマとして存在していますね

天気の子だと、社会へのメッセージが作品の本質的なテーマとして置かれております。

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やっぱ良いな〜

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4.3/5

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新海誠IMAX映画祭で2年ぶり2回目の劇場鑑賞。
今回の3作ではいちばんプライオリティ低かったのに,久しぶりに見たら極上の映画体験だった。

アバンからOPから本篇からEDまですべて良い作品だと再認識。アバンの内容がダイレクトにラストにつながっていた。
あとOP画の情報量がハンパなかった。
そしてRADWIMPSの劇伴が刺さりまくった。「天気の子」の劇伴もスゴく好きだけど,作品のパーツとしては「君の名は。」の方が上だと感じた。

新作「すずめの戸締まり」は否応なしに期待が高まる。

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新海誠IMAX映画祭で2年ぶりに

二人の運命

誰と繋がっているのか、どこと繋がっているのか、本当は夢や幻なんかじゃないかと思ってしまうくらいに覚束ない記憶。だけど、確かに繋がっていることを感じさせる「結び」がある。

ある日、三葉と瀧は遠く離れた世界を越えて、出会った。あり得ないほど遠い遠い世界を跨いで、溶け合うように交じ合った。

200年前の大火で何のための儀式だったかという記憶が欠け落ちた宮水神社の伝統。母を失って、父との軋轢の末に断たれてしまった三葉と親子の繋がり。そして彗星に散った糸守町と、その夜を最後に失われた瀧と三葉との交わりと三葉という命。

東京で出会った瀧くんにはそもそもなかった三葉の記憶。それから全てに気付いて、カタワレ時に出会った二人。そして、再び消えてしまう君の名前。

 
「より集まって形を作り、捻れて、絡まって、時には戻って、途切れ、また繋がり、それが『結び』、それが時間」
 

いくつもの運命の糸は結びついたり分かれたりを繰り返しながら、「時間」という世界を表す一つの太く長い糸を紡ぎ出している。遠い世界を越えて結ばれたある二つの糸も、その時間の中で解れて結ばれてを繰り返しながら、それこそが一つの運命となる一本の糸を編んでいた。

結びとは、

この世界の理なんだと思う。過去も未来も、山の中にも街の中にも、森羅万象の中を流れている節理、それが「結び」。瀧が心惹かれる人工的で無機質な建築物にも、幻想的で破壊的な彗星にも、生きとし生ける生命も、全ての幾千が一つに収束されていく理。それが時という流れの中にあるこの世界の至る所にある。

そんな「結び」の一つがティアマト彗星の落下。あり得ないくらい遠い宙の海からやって来た彗星が、予想もし得なかった確率で二つに割れて、ほんの僅かな確率で糸守の街に堕ちる。だけど、これは宮水神社に伝わってきた伝統に示されていたことで、一筋に導かれた予め定められていた出来事。

そして、この出来事を巡って、あり得ないくらい離れた場所とまさにあり得ないはずの時間の壁を越えて、三葉と瀧が出会った。何億、何兆分の一を遥かに超えた確率の出来事だけど、それはまさにここにあって。

結んで開いていく生命

この世界に生きる何十億人の中から二人が巡り合って、愛が形作られ、交わる。そして、そこから新しい命が分かれ落ちるように生まれ、初めはたった一つの細胞がいくつにも分かれながら増えていって、一人の人間という形を作り出す。人はたくさんの人と出会って別れながら自分の道を進んで、時には戻ったりもする。そして、再びどこかの誰かだけどたった一人の運命の君と結ばれて、また一つ新たな家族を作って、やがて死という最期でまた別れる。

こうして一つの「人生」が形作られる。それは一人の人間にとっての世界を表す「運命」と換言できる。そして、その「結び」の一つ一つが無数に交わり合って、一つの世界という「結び」を形成している。細い糸は手繰り寄せられて、太い糸へと束ねられていく。それは果てしない奇跡のもとに導かれた脆くて美しい運命で、まさに自然の中に秘められている神秘の奇跡。

「君の名は。」という物語

この「君の名は。」と題された物語だってそうだ。一番最初に映された場面から、無数の糸に解き解されて分かれ、やがて二つの世界線が一つに縒り合わされる。出会って別れて、思い出して忘れてしまった二人は最後に再び出会う。

そんな物語をたった一言で表す「君の名は。」という言葉には、そんな数え切れないくらいの幾重にも紡がれた意味を一瞬で一度に感じらることのできる言霊が宿っているように感じる。きっとここにもこの物語を集約している「結び」があるのだ。そして、何よりもこの物語は、人生やそれを取り巻く全ては奇跡だという普遍的であるけれど、忘れがちな忘れてはいけないことを思い出させてくれた。

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公開初日に見に行った。

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僕が新海誠を知ったのは「ほしのこえ」だが、その時はあまり新海作品に興味がわかず、数年前に「雲のむこう、約束の場所」を見たのが最後だ。個人的には唯一見たことのある2作品と他作品の風評から、新海誠は「『喪失』を描く人」というイメージを持っていたし、そのイメージも間違いとは言えないだろう。
しかし、本作を見てそのイメージは大きく裏切られた。思い返すと、この「新海誠の『喪失を描く人』というイメージからの脱却」を含めて、本作は上映前に抱いていたイメージを「(いい意味で)裏切る」映画だったな、と思う。

冒頭から「入れ替わり系」の物語の約束を網羅しつつ、主要人物とその周辺の事情を説明していく構成は手馴れているな、と感じさせる。新海誠特有の圧倒的なビジュアルの緻密さ、幻想感も相まって、序盤から観客を作品に引き込むには十分すぎるパワーがある。僕のような新海誠ビギナー(笑)も、あっという間に虜になった。
序盤~中盤だけでも素晴らしいのだが、二人の入れ替わりがある日を境に断絶したことで、瀧が三葉と現実世界で出会おうと飛騨の地に向かう中盤以降が物語の本番。
そこに、まず最初の「爆弾」があった。単なる入れ替わりものでなく一捻りあるだろう、と思ってはいたが、予想以上の展開が待ち受けていた。ネタバレ防止のために大筋は伏せるが、多くの人はここでさらにグイッと物語に引き込まれることは間違いない。

そして中盤の急展開から瀧と三葉が再び出会うために、2人を引き裂くだけでなく多くの人の命を奪う「悲劇」を食い止めるために奔走する終盤を経て、RADWIMPSの劇伴とともに盛り上がるクライマックスを終えると、新海誠らしい、「喪失」の余韻が待っている。観客にとってはもどかしい時だ。あとすこし手を伸ばせばハッピーエンドなのに、瀧と三葉はすれ違う。
そしてここに第2の爆弾がある。ここで、新海誠は「喪失」ではなく、ハッピーエンドへと舵を切るのだ。いままでの新海作品にはない、誰もが安心できるハッピーエンドを締めくくりに持ってくるのだ。
展開の意外さにも「やられた!」と感じたが、個人的にはこの終幕を見て「新海誠は『ヲタク向け』という狭い世界から脱した」という思いを強く抱いた。新海誠は「雲のむこう~」「秒速5センチメートル」で有名になったとはいえ、それは我々ヲタク界隈の中での話だ。それが、この「君の名は」を経て、非ヲタの、普段ジブリと「ワン◯ース」以外のアニメ映画には縁のなさそうな層の人をもうならせる人になった。
新海誠イズムを失わぬまま、もっと広い世界、広い客層に受ける作品を生み出した。そこには「広い客層に見てもらう為に、ヲタク的こだわりを捨てた『妥協』」ではなく、確かに「成長」が感じられた。

ヲタクから非ヲタまでを広く魅了するのも納得の作品で、間違いなく良作と言い切れる。新海誠の新境地を見た。
万人にオススメできる、「SF(すこし、ふしぎ)」なラブストーリー。オススメ。

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