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とても良い

バンドメンバーの中では智が第一印象で一番気になっていた自分としてはスタンディングオベーションで讃えたい、大満足の智回。スタッフのみなさんに、心からありがとう。
自分の本気を拒絶される経験をして、他人に対して臆病になってしまった智が愛おしい。そんな智を、こうと決めたら曲げないあきらめない仁菜の頑固さが救うのがいい。
シリーズ当初は仁菜のことを「めんどくさ!」と思っていた自分が、めんどくさいという印象は変わっていないのに今では彼女の行動に期待してしまっている不思議、脚本と演出の妙。
常に智と適切な距離を取り続けるルパの頼もしさよ。ルパの智に対する繊細な気遣いから、作り手の登場人物達を大切に扱っていると感じられるのが嬉しい。
智スキーとして大満足の回ではあったが、とはいえ過去の智に全く問題がなかったとも思わない。音楽に対する熱量も向き合い方も、他人が自分と同じわけがないんだよなあ、と今の自分は思う。十代の頃の自分もわかってなかったけど。
あと、同じことを言うにしても言い方には気を遣うべきだろう、と。言葉を飾らないことが相手に対する誠実さである、という勘違いは、自分も身に覚えがあり過ぎる。



とても良い

ラストの桃香の泣き顔が素晴らしかった。本作はいつもいい表情が多いが、際立ってよかった。仁菜と桃香の対立の終着点でありバンドの出発点という大事なシーンに相応しい、心に残る表情。
相手の存在に、相手の音楽に救われたのは、仁菜も桃香も同じ。だけど桃香はそれを思い出にしようとし、仁菜はそんな桃香に一緒に未来へ行こうと言う。
いい最終回だった。
……や、登場人物達のドラマとしては一つ大きな区切りがついて、本当にこの先どうなるの!?
仁菜の放送室占拠エピソード、あれこそまさに仁菜が桃香の曲に救われた瞬間だったとは。
談合坂での仁菜と桃香のケンカシーン、くるくると入れ替わる上手と下手から演出の意図を想像するのも面白そう。
「AKIRA」ばりにかっこよく演出された軽トラに笑った。

さてここで仁菜の過去シーンに刺激されて唐突な自分語り。自分が十代の頃、誰かと揉め事になったとき、どちらが正しいかなど一顧だにせず、揉め事を起こしたことそのものが罪だと言わんばかりにただただ場を収めることだけを強いる周囲が、特に大人が大嫌いだった。
正しさ(その正しさは視野の狭い浅薄な考えだと今ならわかるけど)が軽んじられる悔しさ。正しさが通らない世界に対する苛立ち。そして、そんなときに誰かが生み出した音楽や物語に救われることは確かにあるのだと自分は経験として知っている。
仁菜の中に自分が見える。
仁菜が度々口にする「間違っていない」という言葉を、そのときの彼女の心情を、自分はそんなふうに受け取った。



とても良い

情報量が……情報量が多い!!
バンド名の由来、それでええんか。
桃香がバンドを辞めると言い出したのには本当に驚いた。バンド活動にいまひとつ積極的でなかったのはそういう理由かあ。その理由でさえ、彼女自身の口から語られたのではない、というのが寂しい。
さらに、智とルパの家庭事情も。これだけでもなかなかに重いけど、二人にはさらに以前組んでいたメンバーの話もあるんだよなあ。
仁菜、家を出るとか予備校をやめるとかいきなり極端な決断に走りがちなあたりが若いなあ。それでもやはり彼女の突進力こそが鍵。
素直に姉に甘える仁菜とか、ミネさんに敬意を払う桃香とか、みんなのこれまでとは違う一面が見られたのもよかった。人ってこんなふうに多面的だよね。



とても良い

ラストのセッション、ベースとキーボードが加わったことで音がこれまでとは別次元へ至ったことが、音が仁菜にもたらす喜びが、映像でも伝わってくる。わかりやすい演出ではあるが、実写では成立しづらい、全てが絵であるアニメだからこそ成立するシーンであろう。
客を増やすためなら前回あれだけ否定したダイヤモンドダストと同じ方向性さえ本気で考える。さすが、第4話で豪快な手のひら返しを見せてくれた仁菜さん、パネェ。
新メンバーのルパと智は、楽器面で足りなかったパートであるというだけでなく、武道館を目指す上で必要になるいろんな知識や経験を補ってくれる存在でもあるわけか。
ルパはいまのところキレた姿が想像もつかないけど、ぶつかり星から来た仁菜にどこまで耐えられるか。
練習のとき、すばるが椅子に座る際にちゃんとスカートを整えながら座るのがよかった。日常の何気ない仕草を丁寧に拾ってくれるの大好き。



とても良い

どんな衣装を用意するんだろうと思ったら、そうきたか!
ラストのライブハウスのステージ、曲もさることながら新川崎(仮)の三人の表情と動きが本当に楽しそうで、強く感情を揺さぶられた。
仁菜が語る「爪跡」の話は、まるで仁菜自身のことを語っているようだった。桃香は仁菜とすばるよりも歳上なこともあってか、二人とは少し距離を置いている印象があったが、厄介な女・仁菜にひっかかれてかさぶたを剥がされて、やっと対等な関係になれたんじゃないかな。



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